1週間分の備蓄をしたくても、置き場所がない。そんな家でも、ローリングストックの収納は「1か所にまとめない」と考えるだけで、ぐっと現実的になります。2026年10月27日、細野豪志防災担当大臣が、防災庁が発足する11月2日に全国民へ「緊急要請」を出すと述べたと報じられました。呼びかけの中身は、食料・水・トイレを最低3日分、できれば1週間分、家庭で用意しておくこと。Yahoo!のリアルタイム検索でも「食料・水・トイレの備え」が1位に上がりました。
とはいえ、2Lのペットボトルを箱で積み上げる場所は、多くの家にありません。この記事では、1週間分がどれくらいの量になるのかを数字でつかみ、農林水産省が紹介している防災備蓄収納のチェックポイントをもとに、すき間・ベッド下・玄関まわりの3か所に分けて置く方法をまとめます。
結論:備蓄は「水はすき間」「食品はベッド下」「災害専用品は玄関の近く」の3か所に分けると、狭い家でも1週間分に近づけます。水には幅20cmのすき間に2Lペットボトルを最大30本しまえるBauhutte(バウヒュッテ)スリムボトルラック ラージ、食品には中身が見える天馬 ロックシード 74浅型、持ち出し用にはJEJアステージ BOSA⁺IN(ボウサイン)パッキン付頑丈ボックス 500が向いています。
1週間分の備蓄はどれくらい?家族の人数で量をつかむ

置き場所を考える前に、まず「1週間分」がどれくらいの量なのかをつかんでおきましょう。量がわからないまま収納用品を買うと、入りきらなかったり、逆に場所を取りすぎたりします。
水は、多くの自治体が「飲み水と調理用で1人1日3リットル」を目安にしています。1週間なら1人21リットル、2Lペットボトルでおよそ11本です。家族の人数でかけ算すると、次のようになります。
| 家族の人数 | 1週間分の水(1人1日3L) | 2Lペットボトルの本数 | 6本入りの箱にすると |
|---|---|---|---|
| 1人 | 21L | 約11本 | 約2箱 |
| 2人 | 42L | 21本 | 約3.5箱 |
| 3人 | 63L | 約32本 | 約5.5箱 |
| 4人 | 84L | 42本 | 7箱 |
3人家族なら、2Lの6本入りが5〜6箱。積み上げると、ちょっとした棚ひとつ分になります。これが「置く場所がない」と感じるいちばんの理由です。
食品は、1日3食×7日で1人21食分が目安です。ただ、すべてを非常食で用意する必要はありません。パックご飯、レトルト食品、缶詰、乾麺など、ふだん食べている物を少し多めに置いておけば、それがそのまま備蓄になります。
トイレは、断水や排水管の破損で水洗トイレが使えなくなったときのために、携帯トイレを用意します。自治体の多くは「1人1日5回」を目安にしていて、1週間なら1人35回分です。携帯トイレは軽くてかさばらないので、置き場所の悩みは水よりずっと小さくて済みます。
このほか、調理用のカセットコンロとボンベ、ライト、電池、常備薬なども必要です。量の目安がわかったら、次は「どれを、どこに置くか」です。
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ローリングストックと「災害専用」を分けて考える

備蓄品は、大きく2種類に分けられます。農林水産省の「家庭備蓄ポータル」でも、防災備蓄収納のチェックポイントの最初に、この分け方が挙げられています。
- ローリングストック用:ふだんの生活で使いながら、災害時にも使える物。水、パックご飯、レトルト食品、缶詰、ティッシュ、電池など
- 災害専用:主に災害時に使い、ふだんは使わない物。携帯トイレ、非常用ライト、救急セット、防災用のホイッスルなど
ローリングストックは、ふだんの食品や日用品を少し多めに買っておき、古い物から使って、使った分を買い足す方法です。いつも一定の量が家にある状態を保てるので、賞味期限切れの非常食をまとめて捨てる、ということが起きにくくなります。
この2種類は、向いている置き場所が違います。ローリングストック用は、ふだん使うので台所の近くで、出し入れしやすい場所。災害専用は、ふだんは触らないけれど、いざというときにすぐ取り出せる玄関や寝室の近く。分けて考えるだけで、「全部を置ける大きな収納」を探さなくてよくなります。
なお、水と食品は量が多いので、ローリングストック用をさらに「水」と「食品」に分けて置き場所を決めると、すき間を使いやすくなります。この記事で「3か所に分ける」としているのは、このためです。
備蓄の置き場所を決める5つのルール

農林水産省のチェックポイントと、水やカセットボンベの保管の注意をまとめると、置き場所のルールは次の5つです。
1. 1か所にまとめず、分けて置く
1か所に入りきらないなら、分ければ収まります。農林水産省は、玄関など外に通じる場所の近くに1か所、クローゼットのすき間や廊下の収納などにもう1か所、という置き方を例に挙げています。分けておくと、家の中で閉じ込められたときにも、どこかの備えでしのげるという利点があります。
2. 取り出しやすい「2番目の場所」に置く
いちばん取り出しやすいのは、腰の高さにある収納の手前です。ここはふだん使う物の場所なので、備蓄品はその奥か、下の段の手前に置きます。めったに使わないからといって、天袋や収納の奥に押し込むと、いざというときに出せません。
3. 重い物と割れ物は下の段に
水やカセットコンロのような重い物、割れやすい物は下の段に置き、天袋や吊り戸棚には入れません。地震の揺れで落ちてくると危ないからです。高齢の家族がいる家では、天袋の収納そのものを日頃から避けるよう、農林水産省も呼びかけています。
4. 水は日の当たらない場所に、においの強い物から離す
ペットボトルは、においの成分をわずかに通すことがあるとされています。防虫剤や洗剤のそばに置くと、水ににおいが移るおそれがあります。直射日光の当たる窓ぎわや、暖房器具の近くも避けましょう。
5. カセットボンベは涼しい場所で、7年を目安に使い切る
カセットボンベは、40℃以上になる場所や熱源のそばに置かないよう注意が呼びかけられています。夏の車内や、日の当たるベランダは避けます。使っていなくても中のゴム部品は少しずつ劣化するため、製造からおよそ7年が使い切りの目安です。製造年月は缶の底に印字されています。
この5つを守ると、自然に「重い水は床に近いすき間」「食品は台所や寝室の下」「災害専用品は玄関の近く」という配置になります。災害専用品をまとめる箱は、持ち手付きでふたがしっかり閉まる物を選ぶと、玄関に置いておいてもほこりが入りにくく、そのまま持ち出せます。
場所別に考える:すき間・ベッド下・玄関まわり

ここからは、3か所それぞれに何を置くかを具体的に見ていきます。
すき間:冷蔵庫の横・洗濯機の横に「水」
いちばん場所を取る水は、冷蔵庫や洗濯機の横、家具と壁のあいだにできる細いすき間を使います。床に近い場所なので「重い物は下に」のルールにも合います。段ボールのまま床に置くと、奥の箱が取り出せなくなり、古い物から使うローリングストックが回りにくくなります。キャスター付きのラックに並べて、手前に引き出せるようにしておくのがおすすめです。
まずは、家の中の「幅15〜20cm、奥行き50cm前後」のすき間を探してみてください。冷蔵庫の横には放熱のための空間が必要な機種もあるので、取扱説明書で確かめてから使いましょう。
ベッド下・ソファ下:「食品」とローリングストックの日用品
パックご飯、レトルト食品、缶詰、乾麺などの食品は、ベッドの下が使えます。寝室は台所ほど温度が上がりにくく、日も当たりません。高さの低い収納ケースにまとめておけば、引き出すだけで在庫が見渡せます。中身が見える透明なケースを選ぶと、賞味期限の近い物を見つけやすくなります。
ベッドの下の高さは家によって違います。収納ケースを買う前に、床からベッドの枠の下までの高さをメジャーで測っておきましょう。
玄関まわり:「災害専用品」をひと箱に
携帯トイレ、ライト、電池、救急セット、ホイッスル、軍手などの災害専用品は、ひと箱にまとめて玄関の近くや廊下の収納に置きます。避難するときにそのまま持ち出せるよう、持ち手が付いた箱が便利です。1人分ずつの小さな防災ポーチを作って、この箱に一緒に入れておく方法もあります。
👉 関連記事:9月9日は「救急の日」|家庭に常備したい救急セット・防災ポーチの中身3選【最低限リスト付き】
水の置き場所でいちばん困るのは、「箱で買った2Lペットボトルをどこに置くか」です。幅20cmのすき間に2Lペットボトルを最大30本しまえるスリムなラックなら、3人家族の1週間分の水(約32本)にあと少しで届きます。
ローリングストックを続けるコツ:賞味期限を切らさない

置き場所を決めても、続かなければ意味がありません。ローリングストックが止まってしまう理由の多くは、「何がどれだけあるか、わからなくなる」ことです。続けるためのコツを4つ挙げます。
1. 古い物を手前、新しい物を奥に。買い足した物は奥や下に入れ、使うときは手前から取ります。キャスター付きのラックや引き出し式のケースなら、奥まで引き出して並べ替えるのも簡単です。
2. 中身が見える入れ物を使う。透明なケースや、網目の棚なら、開けなくても残りの量がわかります。見えない段ボールにしまうと、存在そのものを忘れがちです。
3. 見直す日を決める。毎月1日、給料日の週末など、覚えやすい日を「備蓄を見る日」にします。賞味期限が近い物はその週の献立に回し、使った分を買い物リストに書き足します。
4. ふだん食べる物を備える。家族が食べない非常食は、結局使われずに期限が切れます。ふだんから食べているレトルトやパックご飯を、いつもより1〜2個多く買う。それくらいの気軽さで始めるのが長続きのコツです。
非常食を選ぶときは、賞味期限の長さと、家族が食べ慣れた味かどうかの両方を見ておきましょう。
👉 関連記事:台風接近に備える非常食・モバイルバッテリー3選|賞味期限3年以上・大容量で選ぶ
ベッド下に食品を置くなら、中身が見えて、引き出しやすいケースが向いています。透明で、縦にも横にも動かせるコロが付いた薄型ケースなら、ベッドの下からでも在庫が確かめやすくなります。
✅ おすすめ商品:置き場所別の備蓄収納グッズ3選
今回は「置き場所がない家」で使うことを前提に、置く場所ごとに1つずつ選びました。選んだ基準は、狭い場所に収まるサイズであること、出し入れや在庫の確認がしやすいこと、そしてAmazonで在庫と販売元を確認できたことの3つです。価格は2026年10月27日時点のAmazonの表示で、変わることがあります。
| 商品名 | 置き場所 | 価格 | 特徴 | こんな人向け |
|---|---|---|---|---|
| Bauhutte スリムボトルラック ラージ BHS-200 | すき間(水) | 17,491円 | 幅20cmに2Lペットボトルを最大30本。キャスター付き | 水を箱で買っていて、置き場所に困っている人 |
| 天馬 ロックシード 74浅型 | ベッド下(食品) | 1,727円 | 透明で中身が見える。縦横に動くコロ付き。高さ17cm | レトルトや缶詰をまとめて管理したい人 |
| JEJアステージ BOSA⁺IN パッキン付頑丈ボックス 500 | 玄関まわり(災害専用品) | 4,986円 | パッキン付きで、ほこりや水が入りにくい。持ち手付き | 災害専用品をひと箱にまとめて持ち出したい人 |
Bauhutte(バウヒュッテ)スリムボトルラック ラージ BHS-200
箱買いしたペットボトルを、冷蔵庫の横などのすき間にまとめてしまうためのスチールラックです。幅20cm・奥行き56cm・高さ112.3cmで、2Lペットボトルを最大30本(6本入りの箱でおよそ5箱分)収納できます。60リットルの水は、1人1日3リットルで計算すると3人家族のほぼ1週間分です。棚板は目の細かいメッシュで、前後にまっすぐ動く固定式のキャスターが付いているので、重くなっても手前に引き出して古い物から取り出せます。日本語の説明書と1年間のメーカー保証付き。組み立て式です。
2026年10月27日時点の価格は17,491円で、Amazon.co.jpが販売・発送していました。500mlのペットボトル向けには、幅15cmのスタンダードタイプもあります。
こんな人におすすめ:2Lの水を箱で買っていて、床に段ボールを積み上げている人。
天馬 ロックシード 74浅型
ベッドの下や押し入れに入れる、薄型の収納ケースです。大きさは幅39×奥行き74×高さ17cm。本体は透明なので、ふたを開けなくても中のレトルトや缶詰が見えます。縦にも横にも動かせるコロが付いていて、ベッドの下から引き出すのも簡単です。日本製で、本体の重さは約1.2kg。値段が手頃なので、「食品用」「日用品用」と2つに分けて使うのもよいでしょう。
ふたはかぶせるタイプで、パッキンは付いていません。湿気を特に嫌う物を入れる場合は、袋に入れてからしまうと安心です。2026年10月27日時点の価格は1,727円で、Amazon.co.jpが販売・発送していました。
こんな人におすすめ:パックご飯やレトルト食品をまとめて置き、賞味期限をひと目で確かめたい人。
JEJアステージ BOSA⁺IN(ボウサイン)パッキン付頑丈ボックス 500
防災用品の収納を想定した、日本製の収納ボックスです。外寸は幅51.8×奥行き36×高さ34.5cm、内寸は幅37×奥行き25×高さ26.5cm。メーカーの説明によると、パッキン付きの簡易密閉の作りで、水やほこりが入りにくく、長期の保管にも向いています。持ち手が付いているので、いざというときはそのまま持ち出せます。小物を分けられるトレーが付属し、トレーを使うと下の段の高さは19.8cmになります。
簡易密閉の作りですが、防水の箱ではありません。屋外や浸水しやすい場所ではなく、玄関や廊下の収納など屋内に置きましょう。2026年10月27日時点の価格は4,986円で、Amazon.co.jpが販売・発送していました。
こんな人におすすめ:携帯トイレ、ライト、救急セットなどの災害専用品をひと箱にまとめ、玄関の近くに置いておきたい人。
よくある質問(Q&A)

Q1. 1週間分の備蓄は、いきなり全部そろえないといけませんか?
A. いきなりそろえる必要はありません。まずは最低3日分を目標に、ふだんの買い物でいつもより少し多めに買うところから始めましょう。3日分が置けたら、置き場所を見直しながら1週間分へ増やしていくと、無理なく続けられます。
Q2. 水道水をためておくのではだめですか?
A. 水道水も備えになりますが、塩素による消毒の効果で飲み水として使えるのは3日程度とされています。長く置く飲み水は、市販のペットボトルの水や長期保存水にして、ためた水道水はトイレを流すなどの生活用水に回すのが一般的です。
Q3. 2Lのペットボトルは、横にして置いても大丈夫ですか?
A. 横にして置く場合は、ふたがしっかり閉まっているかを先に確かめましょう。また、重ねすぎると下のボトルがへこむことがあります。高く積み上げず、棚やラックで段を分けて置きましょう。
Q4. 備蓄の水や食品は、ベランダや物置に置いてもいいですか?
A. おすすめしません。夏のベランダや物置は高温になり、直射日光も当たります。食品の品質が落ちるおそれがあり、カセットボンベは40℃以上になる場所に置かないよう注意が呼びかけられています。できるだけ室内の涼しい場所に置きましょう。
Q5. 一人暮らしのワンルームでも、1週間分は置けますか?
A. 1人分なら、水は2Lペットボトル約11本(6本入り2箱弱)です。冷蔵庫の横のすき間、ベッドの下、玄関の靴箱の下段などに分ければ、ワンルームでも置ける量です。まずは水2箱と、パックご飯やレトルトを数日分から始めてみてください。
Q6. 携帯トイレはどこに置けばいいですか?
A. 携帯トイレは災害専用品なので、トイレの近くの収納か、玄関の近くの防災ボックスに入れておくのがおすすめです。1人1日5回が目安とされているので、家族の人数×5回×日数で必要な数を計算しておきましょう。
Q7. ローリングストックの見直しは、どれくらいの頻度ですればいいですか?
A. 決まった頻度はありませんが、月に1回など覚えやすい日を決めておくと続けやすくなります。賞味期限が近い物を食べ、使った分を買い足し、カセットボンベの製造年月や電池の期限もあわせて確かめましょう。
まとめ
- 1週間分の水は1人1日3リットルが目安。3人家族なら63リットル、2Lペットボトルで約32本になる
- 備蓄品は「ローリングストック用」と「災害専用」に分け、1か所にまとめず分けて置く
- 重い水は床に近いすき間、食品はベッド下、災害専用品は玄関の近くに置くと、狭い家でも収まりやすい
- 古い物を手前に置き、中身が見える入れ物を使い、見直す日を決めると続けやすい
- 水はBauhutte スリムボトルラック ラージ、食品は天馬 ロックシード 74浅型、災害専用品はJEJアステージ BOSA⁺IN 500が置き場所に合わせやすい
防災庁の発足をきっかけに、「1週間分の備え」が改めて呼びかけられています。置き場所がないと感じたら、まずは家の中のすき間とベッドの下を測ってみてください。ローリングストックの収納は、大きな棚を買い足すより、3か所に分けることから始めると、いつもの暮らしの中で無理なく続けられます。
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